犬や猫にも人と同様の眼の病気が多くあります。
中には放っておくと視力を失ってしまったり、眼球を摘出しなければいけなくなる怖いものもあります。
異常を感じたら早めに眼科検診を受けましょう。
「角膜潰瘍」
角膜に傷がついて角膜上皮が欠損している病態を角膜潰瘍といい、傷の深さによって①表層性②深層性③デスメ膜瘤④角膜穿孔に分類されます。
潰瘍に細菌感染を伴うと角膜実質が分解され、角膜穿孔に至る危険性が高くなります。
「自発性慢性角膜上皮欠損症(SCCEDs)」
ボクサー潰瘍や難治性潰瘍とも呼ばれ、表層性角膜潰瘍のうちの特殊な病態のことを指します。
角膜実質が変性することにより、角膜上皮が実質と接着できず脱落を繰り返してしまう病気です。
そのため通常の表層性角膜潰瘍の治療をしていてもなかなか治癒しません。
「チェリーアイ」
瞬膜の基部には瞬膜腺が存在し、涙液の35%を提供しています。
チェリーアイとは何らかの原因で瞬膜腺が脱出してしまう病気で、若齢のアメリカンコッカースパニエルなどに多い病気です。
放置すると乾性角結膜炎(ドライアイ)の原因になることがあり、さらに角膜潰瘍などを引き起こしてしまいます。
そのため通常は外科手術による整復が必要とされています。
「白内障」
白内障とは、本来透明な水晶体が様々な原因で変性し、混濁した状態をいいます。
要因として加齢、先天性、外傷、遺伝、放射線、糖尿病、中毒などが知られています。
病気によって①初発白内障②未熟白内障③成熟白内障④過熟白内障に分けられます。
過熟白内障では溶け出した水晶体の成分が眼球内で炎症を引き起こし、水晶体起因性ぶどう膜炎や緑内障を併発することがあります。
「緑内障」
緑内障とは何らかの原因で視神経が障害される疾患群とされています。
ヒトの正常眼圧緑内障に近いものも報告されてはいますが、犬における緑内障では、眼圧の上昇が依然として最も重要な危険因子とされています。
緑内障は原因により先天緑内障、原発緑内障、続発緑内障に分類されます。
続発緑内障の原因となるものには白内障や水晶体脱臼、ぶどう膜炎、眼内腫瘍などがあります。
基本的に一度緑内障で視神経が障害されて失明に至った場合、視覚を回復させることはできないため、早期発見や早期治療が大切と言われています。
視覚が残存している場合→前房シャント術など
視覚が喪失もしくは疼痛緩和を目的とする場合→眼球摘出術、義眼手術、ゲンタマイシン注入術など
